『存在の美しい哀しみ』 小池真理子



イメージ 1

死の床に臥した母から異父兄の存在を知らされた榛名は、母が亡くなったのを機に、兄の住むプラハに向かった。

榛名は妹であることを隠し、ガイドとして兄を雇って、初めての対面を果たす。
― 榛名、母、異父兄といくつもに視点を変えながら、家族の歴史と真の姿を万華鏡のように美しく描き出す、感動の長編。


妊婦健診の待ち時間にちょこちょこと細切れに読んでいたのですが、チビチビノロノロ読書でなかなか進まず

出産前に読み終わるぞ!と思い、入院するときにも文庫本を持っていきました。。。

促進剤の点滴をしながら 陣痛の合間に読んでいましたが

次第に読書どころではなくなり (←当然

出産前に読み終わるという目標は達成できませんでした(^_^;)

でもせっかくだから せめて退院前には読んでしまいたい…ということで(謎)

疲労困憊・睡眠不足の中、変なテンションで読み終えたのでした





章ごとに語り手が変わるので、長編小説というか連作短編というか・・ 

こういう構成の作品、個人的にとても好きです



離婚、再婚、病気、、会ったことのない異母兄弟、、、、

読みながら 気持ちがザワザワするのだけど、文章は静かで「美しい」。


色んな人が 色んな苦悩をかかえながら 生きているんだなぁとか

人と人との縁は不思議だなぁとか 

色々考えながらも ストーリーに浸りながら 読みました。


自分が出産前後の不安定な時期だったから

なおさら ザワザワしたり考えさせられたりしたのかもしれませんし

いつかまた読み返したい作品です。


プラハやウイーンの描写もとてもきれいで 私も旅に出たくなりました