2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『河岸忘日抄』 堀江敏幸

セーヌと思しき河に浮かぶ船を仮寓とする「彼」。 陽あたりのいいリビング。 本とレコードが几帳面に並ぶ樫の木の棚。 訪ねる者はといえば、郵便を届けにきて珈琲をのんでゆく配達夫くらいだ。 謎めいた大家を時に見舞いながら、ブッツァーティ、チェーホフ…

映画 『明日への遺言』

第二次世界大戦終了後、戦争末期に名古屋を空爆した米軍捕虜を処刑した責任を問われ、 B級戦犯として裁判にかけられた岡田資中将(藤田まこと)。 裁判で彼は 「一般民衆への無差別爆撃の責任は誰が負うのか、 命令により実行した部下の責任は誰が負うべき…

DVD 『しゃべれどもしゃべれども』 『きみにしか聞こえない』 『黄色い涙』

しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子さん原作作品。 思うように腕が上がらず、壁にぶち当たって悩む二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)。 そんな彼の教室に、無愛想で口下手な美女・十河五月(香里奈)、 大阪から引っ越してきたものの勝ち気なため…

『人生ベストテン』 角田光代

40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、 我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。 年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。 13歳の夏に恋をした相手に―――。 どこにでもある…

『竹取物語』(ビギナーズ・クラシックス シリーズ)

5人の求婚者を破滅させ、帝の求婚にも応じないかぐや姫。 だれもが知っている話だが、ロマンティックな空想物語と誤解されている物語でもある。 古典というストレスなしに冷酷なかぐや姫の全貌を知る本。 かぐや姫って冷酷なんだろか。。 それよりも 5人の…