『ニート』 絲山秋子

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  どうでもいいって言ったら、この世の中本当に何もかもどうでもいいわけで、

  それがキミの思想そのものでもあった―――。

  洗練と節度を極めた文章からあふれ出す、切なくも甘やかな感情。

  川端康成文学賞受賞、気鋭の作家・絲山秋子が切り取った現代の生のかたち、珠玉の5篇。

 ・ニート
 ・ベル・エポック
 ・2+1
 ・へたれ
 ・愛なんかいらねー



最後の 「愛なんかいらねー」 が衝撃的で 表題作を忘れかけております。。(^^;)



この作者さんは 性描写が男性的と言うか、男性の内面をよく知ってそうと言うか、

女性からみた男性じゃなくて 男性そのものを描いている感じがすると言うか、

なんとなくそんな印象があるのですが。


でも私は女だから 実際のところその感覚ってどうなのか?ということについてはわからないので(笑)

ちょっと男性の意見をきいてみたいな、とこの人の作品を読むたびに思います(^^)


でも、絲山作品が好きだっていう男性にはあまり会った事がないような・・・。

やっぱり女性ファンが多いのかなぁ。 ←というか私、友達が少ないだけかも(^^;)






ニートってどういう人のことを指すのか、はっきりと定義がわからないのですが。

現在無職の私も半分ニートなのかなぁ。

(「半分」って言うのは、今働いていないだけで、働く気がないわけじゃないっていうことで。。^^;)




今この社会の中で、“働かない” という選択をするならば

働く誰かに助けてもらわないといけないわけで。


それはそれで その人の選択なのだけれど、どうも思考がよくみえないのです。

考え抜いたうえでの選択なのか。 逃げているだけなのか。


無気力。すべてが面倒。 誰にでもそういうときってあると思うけれど

ずっとそのままじゃ やっぱり苦しみしか生まれてこないような気がして。


「キミ」 の将来を想像するとなんだかすごく不安。心配って言うより不安。。

それってどこか自分と重なる部分もあるような気がするからなのかもしれない。。。


働くって何だろう。生きるって何だろう。そんなことを考えながら読みました。







人と人との距離感がすごく感じられる作品集でした。近くにいても遠い感じ。

5編の中では草野心平の詩の引用が印象的だった「へたれ」が一番好きかなぁ。

「へたれ」っていうタイトルが私に合っているような気もするし(笑)