『左腕の猫』 藤田宜永
乳ガンの手術から快復した妻に突然別居を切り出された夫。 移ろう人の気持ちに、いつも同じ場所でまどろむ猫には永遠を感じるが――。 飼い猫へ深い愛情を示す以外は無味乾燥な生活を送る女に、男は居心地の良さを 覚えてゆく――。 儚くも温かい表題作を含め、猫をテーマに男女の微妙な関係を鮮やかに描く六篇。
猫たちは主役ではなく、何を語るわけでもないのだけれど、
彼らの存在が絶妙な安らぎや緊張感を与えてくれています。
50代男性が主人公で 20代・30代の恋人がいる という設定のものが多くて
しかも男性目線の作品集なので、女性は嫌悪感を感じる人もいらっしゃるかもしれませんが(^^;)
私は結構主人公に入り込んで読んでしまいました。
エロオヤジの視線で読めるって・・どうなんだろう・・(笑)
老年にさしかかる男性の寂しさや強さ、生き方、家族との関係、
色々なものが描かれている作品集でした。
オススメです(^^)