『天鵞絨物語(びろうどものがたり)』 林真理子
裕福な家庭で育ち、初恋の相手・泰治と婚約した品子は幸せの絶頂にあった。 だが結婚後も夫の心は気高く美しい大使令嬢の真津子に向いていた。 妻にも祝福される恋をしたい。 そんな泰治の理不尽な求めにも素直に従い、品子はひたむきに愛を貫く―――。 昭和初期の華やかな上流社会を舞台に、 男性に翻弄されつつも、逞しく成長する一人の女性の生き様を描いた長編小説。
自分自身の心をさまざまな方法で無意識に守ること を 『防衛機制』 というのだそうです。
心が壊れないようにするための安全装置。
その 『防衛機制』 には、 “抑圧” とか “合理化” とか いろいろなものがあって、
難しいことはよくわからないのですが…(^_^;)
本書の主人公・品子の心の動きを追う中で この 「安全装置」 のことが
なんとなく思い浮かびました。(たぶん、ちょっとずれてるんだろうけれど。。)
自分自身の考えていることや想いが うまく受けいれてもらえないとき。
自分の考え方や感情や記憶を否定したり、なかったことにしたり、
無理矢理忘れようしたり、、、することがあります。
反対に、自分自身が受けいれたくない事実があるとき。
何らかの理由をつけて自分自身の正当性を確保したり、
受け入れられる形に無理矢理変形しようとしたり、、、することがあります。
疲れていたり、精神的に余裕のない時には、誰にでもあることなのではないでしょうか。
(っていうことも、自分だけじゃないんだって思い込もうとしているだけだったりして。。(^_^;))
品子の心の動きは、そういう葛藤みたいなものの存在をずっと思わせるものでした。
「愛する僕が幸せであることで、君は幸せなんだよね?」
「僕は彼女を愛しているけれど、それを許してくれる君がいてくれることが 僕は本当に幸せなんだ」
夫が愛する別の女性の存在を認めることによって
別の女性を想う夫を受けいれることによって 妻は夫に愛される。。
浮気夫の戯言のようにしかきこえないんだけれど(^^;)
本当に夫を愛していたら 受けいれざるを得ない。。のかなぁ。。。。
夫は夫で苦しんでいたようでもあります。。
戯言のようにしかきこえない言葉なんだけれど、真剣に言ってるというか。。
妻は本当に大事な存在で、他の女性も本当に愛している・・・ということも
もしかしたらあるのかもしれないですね。 どうなんでしょう?
私にはよくわからない感覚だけれど。。
品子は夫に受けいれてもらえず (条件付きでしか愛されず)、 苦しむのだけれど
それでもやっぱり夫を想い続けるのは 愛なのか・・? 執着なのか・・?
でも、最後まで読んだら、それが彼女の幸せだったのかなぁって。。
うーん、でも 「これが自分の幸せなんだ」 って思い込もうとしていたんじゃ・・? という印象も
拭いきれないかも。。。(←どっちなんだ??(笑))
夫と別れて (みかねた家族が別れさせた)
自分を想ってくれる男性と再婚しても (家族が縁談を進めてそれに流された)
やはり元夫への断ち切れない想いがあったようで。。
ということは、やっぱり、報われなくても想い続けることが彼女の幸せだったのかなぁ。。
自分の心の向くままに生きることが一番いいということなんでしょうか。
思い込むことによって幸せでいられるなら、思い込もうとすることも悪くないのかもしれないし。。
すみません。何を書いてるんだか自分でもよくわかりません。。。うううーー(´_`;)