『落下する夕方』 江國香織
梨果と八年一緒だった健吾が家を出た。 それと入れかわるように押しかけてきた健吾の新しい恋人・華子と暮らすはめになった梨果は、 彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。 逃げることも、攻めることもできない奇妙な三角関係。 そして愛しきることも、憎みきることもできないひとたち…。 永遠に続く日常を温かで切ない感性が描いた、恋愛小説の新しい波。
私はこのひとが大好きだった。
いまはもう上手く思いだせないが、大好きだったという事実だけはよく憶えている。
そしておかしなことに、もう一度あらためて好きになれそうな気さえしていた。
「変なことを言うと思うでしょうけれど」
「私、健吾ともう二度と会わないことも、健吾ともう一度恋愛をすることも、
いますぐ健吾と寝ることもできるわ」
↑ 個人的に好きな場面です。
別れた人に対する感情ってこういう感じだなって。。すごく共感しちゃって。
ゆっくり時間をかけて 梨果が 未練や執着から抜け出していく過程に
自分の過去を重ね合わせて苦しくなって・・・
同じ人に2回失恋したみたいな感覚になっちゃったよぅー(笑)
読んでいてちょっとしんどかったです(´▽`;)
梨果の場合は15ヶ月(!)かけて失恋しているけれど
長短は別として、
誰でもみんな 別れの時はこういう道を通っているんだろうなーと感じました。
この作品、ff73さんのマネして読み返してみたのです。
学生時代に読んだ時はあまり感動したような記憶はなかったのだけれど
今回はじんわり痛みを感じつつ楽しめました。最初のほうで泣いてたし。。
私もちょっと大人になったのかしら(^^;)
過去に読んだ本を 時間をおいて読み返すというのもいいものですねー。
古傷が疼きますが(笑)オススメの作品です☆