『恋』 小池真理子
1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。 当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、 倒錯した関係に陥っていく。 が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした…。 全編を覆う官能と虚無感。 その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。
って思ってたんですけど。。
つらすぎて。。。1冊で力尽きました(^^;)
私の中では “恋” のイメージって ホワホワした明るい感じなので
小池真理子さんの作風とはなんとなく結びつかないような気がしていましたが、、
やっぱり切なくて苦しい内容でした(T-T)
構造は 三角関係・・・というか 四角関係 (ダブル不倫?) なのですが
簡単に 「三角関係」 と言い表せるような関係でもなくて。。。
主人公・布美子は 大学教授の片瀬に恋をするわけですが
片瀬とその妻 2人を丸ごと愛していて、
その2人の関係を壊そうとする青年を憎むようになっていきます。
感覚的には (私自身はカップルを愛したことはないので^^;) よくわからないけれど、
読んでいると浸ってしまって、あーこういう愛もあるのかなぁーと。。
結末部分は切なくて ジムで自転車こぎながらウルウルしていました(T-T)
小池真理子さんのインタビュー記事で、三角関係についてのものがありました。
(この作品についてのインタビューではないですが・・)
意識的に好んで三角関係を描いているわけではないんですが、
そう言われれば確かに多いかもしれません。
それはやはり、二人の男女がどんなに運命的な出会いをして恋に落ちたとしても、
お互いがそれまでに背負ってきた過去やしがらみというのは、そう簡単に切り落とせない。
誰もがそういうものを抱えたまま恋に落ちるわけで、
心の底から純粋に恋を味わうというのは不可能なことなんですよね。
逆にそこに恋愛の醍醐味というのもある。
すぐ快楽に直結するのではなく、どこかで孤独を見つめたり、不安に駆られたり、
神経をさかなでられたりすることとつき合っていきながら恋愛を進行させていくわけです。
そのように、恋愛のいい面だけじゃなく人間的な生々しい部分というのを描かざるをえないときに、
三角関係をその象徴的なものとして取り入れるということはありますね。
深いですね。。 お子ちゃまの私は まだまだ修行が足りません(´▽`;)
なぜか、読んでいるとき 本の紙で指を切りました。
文庫本で手を切るなんて初めてです。。。
私の 『恋』 は先行き不安なのでしょうか( ̄_ ̄;)??