『海の仙人』 絲山秋子

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  宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。

  何もしないひっそりした生活。

  そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。

  孤独の殻にこもる河野には、2人の女性が想いを寄せていた。

  かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。

  芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。 





誕生日に指輪をねだったときの かりんの気持ちを想像したら切なくて泣きそうでしたー。

(あ、私自身が指輪をもらいたいだけかもしれない・・(笑))


もちろん私はそういう状況になったことがないんだけれど

「お守り」っていう感覚、何かを身につけていたいっていう気持ち、

なんとなくわかるなぁーって。。






河野も かりんも 片桐も 澤田も みんな凜としててかっこいい。

その陰には切なさが見えるのだけれど。




自分が孤独であることを知っていること

孤独であることを理由に他人に寄り掛かりすぎないこと

他人を尊重できること


登場人物それぞれが素敵なオトナです(^^)

(会社の“同期”ってイイですね。私は会社員じゃないのでわからないのですが。。)






片桐のことばで

  「孤独ってぇのがそもそも、心の輪郭なんじゃないか?

   外との関係じゃなくて自分のあり方だよ。

   背負っていかなくちゃいけない最低限の荷物だよ。」

っていうところがあるんですけど ナルホドーって思いますよね^^




まぁ、頭ではわかっていても

寂しくてつい誰かに寄り掛かりたくなっちゃうんですけどねぇ(´▽`;) ←結局ダメじゃん。。







カッツォ(勝男)と片桐が再会した最後の場面、2人がどんな会話をしたのか・・

というところまで知りたかったなぁ(o^_^o)






読んだら寂しくなくなったような、でも余計に孤独を感じるような(笑)

絶妙な読後感がたまらないです。。



素敵な作品でした。オススメです☆