『転々』 藤田宜永
借金をかかえた青年・文哉の前に現れた無頼な風体の男。 「100万円払うから一緒に散歩しろ」 という奇妙な提案を受け、文哉は男と共に歩き出す。 井の頭公園から出発し、東京を東へと横断してゆく2人。 現実の歩みはいつしか記憶の中の風景と重なり、 文哉は今までの人生で失ったものを取り戻そうとするが、短い旅の終わりには衝撃の結末が。 夢と孤独が交錯する哀愁ロード・ミステリー。
これも 「映画化」 に惹かれて読んでみました。
映画からはコメディっぽい香りがプンプンしますが、この本はそうじゃないです(笑)
(そういう意味でも映画が楽しみ☆)
それまでの人生を見つめなおしながら 男2人が東京をゆるゆる歩く。
その途中で出会う人々にも それぞれの人生があって
主人公は 自分が向かっている方向には何があるのか、これからどうしたいのか、
悩みながら、色々話しながら、忘れられない女性の行方を追いながら、
そして謎の男と駆け引きをしながら(?)歩いていきます。
“歩くこと” は 自分が抱えている 「いろいろ」 を 整理したり考えたりする
ちょうどよい行為なのかもしれませんね。
スポーツをするのとも違うし、趣味に没頭するのとも違う。
作品のなかで描かれている東京の街も魅力的でした。
ゆっくり歩いてみたくなりました(*^_^*)