『溺レる』 川上弘美
2人で何本も徳利を空にして、ゆらゆらと並んで歩く暗い夜の情景―――「さやさや」 ちょっとだめな男とアイヨクにオボレ、どこまでも逃げる旅―――「溺レる」 もっと深い仲になりたいのに、ぬらくらとすり抜ける男―――「七面鳥が」 恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しむ、傑作短篇集。 女流文学賞・伊藤整文学賞受賞。
なんとなく読まないでここまできてしまった作者さんですが
これは装丁に惹かれて手にとりました。 タイトルの文字の傾き具合が絶妙で(●´∀`●)
文章が独特で新鮮でした。なんだかフワフワした感じ。
カタカナが多用されていて 原因不明のカタカナ恐怖症(!)にかかっている私は
読み始めは鳥肌が出そうになりましたが Σ( ̄v ̄;)
おもしろい使い方で楽しめました。(ほっ)
内容はまさに “溺れる” ですね。
だめ~な感じの男女、とりわけ女性側がオボレている、、、
ダメ男にハマって 「都合のいい女」 になってしまった少しカワイソウな女性たち
でも彼女たちはオボレていることが幸せで そうありたいと思っているわけで。
(私は女性側のオボレ具合が大きいと思いましたが、それは私が女だから・・?
男性が読むとどう感じるんだろう?)
この作品の中の人たちは けっこうお酒を飲みますね^^
そこがまたフワフワした感じにつながっているような気がしました。
ちょこちょこ出てくる料理がみんなおいしそう!
そして タイトルが謎。。。
どうして 『オボレル』 でもなく 『溺レル』 でもなく 『溺レる』 なんだろう^^?
一瞬 “漢文” の “レ点(返り点?)” が 頭をよぎりました(笑)