『エミリー』 嶽本野ばら
“この残酷な世界に生み落とされたのは、きっと貴方に出逢う為だったのですよね” 少年と少女の困難で美しい生と性を描いて三島由紀夫賞候補となった表題作はじめ、 アートとファッションへの美意識を核に咆哮する3つの愛の物語は 「うっとり読んでいると、破壊力抜群の言葉になぎ倒される」(解説より)。 孤高の乙女魂と、永遠の思春期を抱くすべての人に放つ、珠玉の恋愛小説集。
軽ーい気持ちで手に取ったのに 表題作がガツーーンときましたぁ。。
胸が痛いです。
いじめとか 同性愛とか
考えれば考えるほど本当にやりきれない状況の男女なんですけど
丁寧な言葉でかかれているから 読んでいて気持ちが落ち着く感じがするのが不思議。
性描写もくどすぎず。
どこからどこまでが「セックス」という行為なのか よくわからなくなるし
セックスって何だ? 愛って何だ?
と考えてしまいます。。
自分の中の概念とはちょっと違った愛の形。
愛しかたって色々あるんですよねぇー。(なんか意味不明ですが。。)
小池真理子さんの 『欲望』 を読んだとき かなり衝撃をうけたんですが
この作品も似たような衝撃がありました。。
2つの作品は
物理的に1つにはなれない2人が 肌を重ねる・・というところが似ているんですが
こっちのほうが直球だったかも。当事者が若い (←中学生^^;) だけに。
うう。。。
予想外に衝撃が大きかったので この週末は静養します。。(笑)
「乙女」 「青春」 「純愛」 「ロリータ」 っていう単語をきくと
相当むず痒い印象を受けますが(^^;) 読んでみるとそうでもなくて
自然に 綺麗な文章に引き込まれてしまいます。
画家やブランドの名前がたくさん登場して
自分は美術とか洋服のことを何も知らないんだなぁって気付かされますが^^;
知らなくても十分楽しめました。
あ、そうそう、
登場人物は あまり名前を呼び合わず
男性目線の時は “僕” と “君”
女性目線の時は “私” と “貴方” という書き方なんですが
私、個人的に 「僕は・・」 って話す男の人が好きです。(←誰もきいてないって?(笑))
丁寧な言葉遣いが不自然ではなくて 綺麗で静かでかなり素敵。
彼の文章にこんなにも心惹かれるのは
私。。。実はかなり “乙女” なんでしょうか。。(〃∇〃)??
野ばらワールド、私は2冊目にして完全に落ちました。。
ぜひお試し下さいませ☆☆