『うつくしい子ども』 石田衣良

弟は、なぜ殺したんだろう？



主人公は１４歳の中学２年生。



９歳の少女の殺人事件。　犯人は１３歳の弟だった。

兄は弟の気持ちを知るために調査を始める。



なぜ弟があんなことをやったのか、その理由を探そう。
追い込まれたにしろ、自ら突き進んだにしろ、弟をあの状況に向かわせる
なにかがあったはずだ。

人を殺すことは、簡単には理解できないだろう。
ぼくだってそれくらいわかっている。一生かけたって無理かもしれない。
でも理解しようという気持ちをなくしたらだめだ。
これからもずっとぼくの弟なんだから、時間をかけたってかまわない。
すくなくとも自分が納得できるまで、弟の気持ちや心の動きを調べてみよう。

それが最悪の行いでも、誰かがわかってやる必要があるのではないか。
そうでなければ、犯罪をおかした人は一生ひとりぼっちになってしまう。
最低の人間だって、誰かがそばに寄り添ってあげてもいいはずだ。
それがぼくの弟ならなおさらじゃないか。







事件によって崩れてしまった家族

マスコミの報道

生徒たちの嫌がらせ

学校の対応

などなど



こんなにも重過ぎるテーマを、暗すぎない感じに描いているのがすごい。

くすっと笑える部分あり、涙あり、もちろん考えさせられる部分は多い。

深い。


自分が親になる前に読めてよかった・・と思える作品でした。




〝ミステリー〟と言いつつも、、帯に犯人が弟だって書いてあるし！
と、思いつつ読み始めましたが。

帯も著者本人の作品なんですね。
（石田さんは帯もほとんど自分で作っているそうです。へぇー。）